読書時間もデッドクルージング。

異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)

異族―中上健次選集〈2〉 (小学館文庫)

[rakuten:book:13022480:detail]
中上健次『異族』読了。
文庫にして900ページ強は丸1日半読むのにかかりますね。
読後に思ったのが、深町秋生の『東京デッドクルージング』が『異族』をうまいこと咀嚼してザクザクっと読めるエンタメにしてたんだなぁとか。

10周年特価?クロなめるな!(装丁的な意味で)

空の境界/未来福音』を早速ゲットして、サクッと読む。
小説のほうは、叙述トリック中二病(犯人的な意味で)の視線を表現するのに使っていたり、ラストの「織」のモノローグはいい感じ。
アニメ化すると、30分ぐらいの尺になるかな。
武内崇のショートまんがは「1998年10月」が頑張っていてよろしかった。

「小説考察」(前編)

空の境界(上) (講談社文庫)

空の境界(上) (講談社文庫)

空の境界』原作小説をまとめ買い。


この前観た「俯瞰風景」を読んだけど、「引き」の要素で構成されているからか、結構あっさりしていた(時系列がバラバラだけど、シーン毎で纏まっていたし)


一人称複数人視点で描かれていたのは、予想外だったけど。


原作を読むと、アニメ劇場版の工夫と苦労が良く分かる。


原作の時間構成でそのままやると、テレビシリーズになってしまうし、読者が思わぬ展開に「唖然」とするようにさせるには、小説と映像では媒体の「時間」の概念の違いを考慮しないといけないしね。


劇場版で、黒橙幹也が2月もの間「蝶の夢」を見ていた「事実」を観客に認知させる映像構成は、少し拙さを感じる部分があったけど概ねうまくいっていたと思う。


両儀式のキャラクター紹介としては120点満点の再構成だから、些細な問題だけど(笑)


メディアミックスは大概にして、諸作品ただ集めて消費する「祭り」としてでしか楽しめない、ということになるデメリットを生むのですが、『空の境界』に関しては「祭り」として楽しみつつ、原作と再構成するアニメスタッフの作品自体の「試み」を味わう貴重な機会があると思います。

濃い空の下、

濱野智史『恋空』論が結構面白く、腑に落ちるコラムだった。
よく友人に、『恋空』(美嘉)に共感する読者は自身の経験を補完して読むんじゃないか、と酸っぱい葡萄wwwみたいにスパスパ言っていたわけですが…
ふむ、『恋空』のテクスト・コードを支配していた「もの」を、「操作ログ的リアリズム」と上手く纏めていてスッキリ♪
話が変わるけど、『ノーライフキング』(いとうせいこう)とか『アヴァロン』(押井守)を読んでて「燃え」るのは、「「テレビゲーム」的リアリズム」がこれらのテクスト・コードを精密に支配しているからだろうなぁ。
ちなみに、『WIZ』ファンの私としては、『アヴァロン』がどうしようもなく愛すべき作品だなぁ(笑)。

みんなの恋空

みんなの恋空

ノーライフキング (新潮文庫)

ノーライフキング (新潮文庫)

Avalon 灰色の貴婦人 (MF文庫J)

Avalon 灰色の貴婦人 (MF文庫J)

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン(なぜ複数形?)

ブックオフで「富野由悠季」小説を発掘。
小説の書き手(「小説家」と呼ぶには忍びない)としては黒歴史になりつつある、御大(笑)。
機動戦士ガンダム』から、創作活動一時停止の『Vガンダム』まで、テレビアニメ製作と小説を平行して量産している。
単行本化された小説は、現時点で60冊を越える!(宇野常寛は殆ど読破したらしい)
どうやって激務の中、執筆していたかよくわからない(大塚英志の仕事量もよくわからんが)。
まぁ、ガンダムの前身となる企画『ガンボーイ』の資料の抜粋を、『ガンダムの現場から』で読んだことがあって、当時から御大の過剰な世界観を「言葉」で構築していたことを痛感するのだが。


本編


御大、いきなり「序」で、作品の講談を始める(笑)。
アニメと違って、人のフィルターが入っていない分、直で御大の発話で、御大の人生観がナレーションとなる(笑)。
『ガンボーイ』、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』にもこんな「序」があります(笑)。
御大のエクリに付き合うことは、この、見方によっては御大の「ウザい」人生観と付き合うことです(笑)。
さて、本編を読み進めると、戦いの情景がさっぱりと判らない(笑)
本人も自覚しているのか、終盤に<ドキューン!まさにモビルスーツのプロレスである。/モビルスーツ史上、初めての長期格闘戦である>とサービス、サービスぅ(葛城ミサト)なノリ突込みをする(笑)
戦闘だけでなく、場面転換が読み取りにくい。
<小生(御大)の思い>は複雑怪奇だということを<知ってもらいたかった>のだろうか(笑)
冗談はそこそこにして、御大は自分の創作物に対して「人」を描くのではなく「人と人」=「人間」が対面した時の切り返しに重点を置いている。
「人間」を描くためなら、あらゆるバリエーションの対面を積み重ね、具体的=観念的な描写を犠牲にする。
そのために、アニメを事前に観ていないと(観ていても)、「人間」をテクストの中で確認できない事態が発生するのだが(涙)
ミライさんの放浪とか短いけど結構面白いシーンがあって、大変もったいない。
非常に読みにくいのだが、なし崩しに読んでいくので二時間弱で読めるし(笑)、アニメの方を観ている方・トミノスキーな人にはお勧めの、至玉の名=迷台詞<「お前なんかっ、死んじゃえ! だから、若い男は嫌いなんだ!」等>もありますし、ブックオフで見かけたら拾ってやってください(笑)。

追記
『ベルチル』のベルトーチカアムロって、ミサトさんと加持さんだな。