「マクロスプラス」は劇場版に限る。

マクロスプラス リマスターボックス [DVD]

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MACROSS PLUS ORIGINAL SOUNDTRACK PLUS - for fans only

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河森正治が、宮崎駿の『魔女の宅急便』とか押井守の『劇場版 機動警察パトレイバー』をリアルタイムで観て製作中のアニメ『舞夢』(エロゲーで同タイトルやつがあったり、製作請け負ったサンライズが後に『舞-Hime』作ったりしました)を止めてから数年。高梨実プロデューサーに「マクロスまた作らないか」と切り出されて、ようやく『超時空要塞マクロス』から12年ぶりに、渡辺信一郎と共同監督した『マクロスプラス』。
トータルで見て、『攻殻』『メモリース』よりも根強いファンがいると思われる、SF青春版『紅の豚
OVA版は「お子様でも楽しめ」(菅野よう子)ない、アニメーション、というか劇場版の完成度が今まであるOVA編集劇場版のそれと比べて半端なく高いんで霞んで見えます。マクプラおたくで気になる人はミテクレ(投槍)
まあ、山根麻衣の名曲『After, in the dark〜Torch song』が使われているんですけどネー。
マクロスプラス』の最大の功績は、菅野よう子をアニメ音楽のメインストリームに押し上げたことですね。
菅野以前、菅野以降でアニメ・ゲーム音楽の基準が大きく変わったのではないでしょうか。
新居昭乃のボーカルが、劇場版のアカペラではすごいことになっております。
「音の力」が本編を通り越してあるものですから、あれだけクオリティーが高い絵でも追いついていない部分(技術的限界)が露になっているものだから、当時『攻殻』とか『メモリーズ』に引け目をとったと思われるのです。

さて、本編なんですけど。
ガルドの記憶違いの怖さって、って最近年取ってきて酒飲むようになってからわかる様になりましたねー
イサムたちがガルドに気を使いすぎて、真相を黙っているのは残酷ですね(怖)
河森監督の作品のほとんどにこうした、気を使って真相を隠すあまりに誰かが破綻するパターンを組み込んできます。
あと、ナベシンと河森氏の根本の違いが互いにブレンドされていい感じになっているのが、近年になって解るようになりました。
ナベシンが太陽(超越性)を前にじっくり焦げる人たちを描くなら、河森氏は太陽(超越性)に飛び込んで合体(笑)してしまう人たちを描くことで、彼らなりの「リアル」が作られていて、『マクプラ』は結構ばかばかしいけど『攻殻』より「リアル」が含まれた作品だと思う。

コネタ
イサムがルーシーと海岸で夜空を見るシーンがありますが、そのときのイサムの鼻に配色ミスが見られる。
ヤン・ノイマンは十七歳の天才少年(笑)