シドニー・ポラックも鬼籍に入ってしまいましたね。

プレミア映画本の「ロスト・イン・アメリカ」で、スタンリー・キューブリックについて阿部和重青山真治がいろいろと語っていた『アイズ・ワイド・シャット』(1999年)を観る。
公開当時はキューブリックの急死、寸止め感満載の予告編に、当時夫婦だったトム・クルーズニコール・キッドマンが主演していたこともあり、様々な憶測が飛び交うなかで観客は妄想を膨らませながら見に行っていたらしい。
こちらもショッキングなシーンを期待しながら(笑)観たわけだが、トムの寸止めぶりに終始打ちのめされていくことになる。
ようやくニコールがトムにアブノーマルな一夜を提案(「FUCK!」の連呼)するところで、映画が終わってしまうのだ(『THE END OF EVANGELION』の「気持ち悪い」の効果と被ってしまったのは偶然なのだろうか)。
「妄想」を正直に「妄想」として描くことで、フィクションの枠からはみ出してしまった怪作だが、今見ても退屈しないのはNYの「作り物」の街の空間の時間性が撮影と音楽が相まって観るものの時間性を掌握するからだろう。
ヒストリー・オブ・バイオレンス』と続けてみたせいか、現代アメリカ映画で夫婦ミステリー(エロス込み)ものはハズレがないのではと思った。


別記
「寸止め」映画とはいったものの、ニコール・キッドマンのスーパーモデル体型は現代日本のエロスの主流から外れていて新鮮な悦びを得ることは確かだ。
コードギアス 反逆のルル―シュ』のCLAMP starring 木村貴宏が描くような足長・スレンダー美女は現実にいるなんて最近思いもしなかったから、余計に(笑)
海外だと「裸ニーソ」に相当するのが、「裸ヒール」なのか?
キューブリックによって「裸ヒール」の足首の素晴らしさを再認識させてもらいました(爆)