「馬鹿」につける「おバカ」……「映画」の劇薬、『ホット・ファズ』。

映画秘宝 2008年 08月号 [雑誌]

映画秘宝 2008年 08月号 [雑誌]

空の境界」を観た後に『ホット・ファズ』を振り返ると、様々なレベルでのおもしろさを追求した姿勢に感心せざるを得ない。


ジャンクなドンパチ・映像技法快楽主義映画へのオマージュとリスペクト。
サム・ペキンパーわらの犬』をベースとした、ムラ・島国社会における「公益」という名の「独善」に虐げられる主人公たちのドラマ。
さりげなく、『ドン・キホーテ』のモチーフ等を闖入させる、適度なエスプリ。


巷では、「おバカ」映画として宣伝されているけれども、シネコンの大半を占める単なる「馬鹿」映画に鉄槌を下す、「馬鹿」を超えるための「おバカ」というCOOLなスタイルとして評価すべきだ。