岸谷五朗がカメオ出演しているのはちゃんと筋が通っているのですよ。
- アーティスト: 池頼広
- 出版社/メーカー: エイベックスイオ
- 発売日: 2008/04/30
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本編前の劇場予告作品の殆どが「テレビ映画」臭が感じられるものだったけど、ここまでになると今の邦画(とくに実写)は配給も作り手もニヒリズム(何を作ってもお金・評価も貰えないのなら、ローリスクで刹那の笑い・涙を垂れ流せば「今のテレビ的」にはいいといった考え)で荒んでるんだなぁと同情の念を抱いてしまう。
ここで言う、「テレビ映画」とは「映画作品」ではなく、その場限りの「サービス」を観客を提供するジャンルのことだ(テレビは「サービス」を垂れ流すメディアだ)。
『相棒 ―劇場版―』もまた「テレビ映画」のカテゴリーに括れるように見える。
しかし、「『相棒』というテレビ番組のための映画」であることで他の「テレビ映画」とは一線を画すことになった。
テレビシリーズ『相棒』の主監督であり劇場版の監督である和泉聖治は、観客が以後テレビの『相棒』を観てくれるようにキャラクターのトーンを映画の妨げにならないように配慮して終わりに向かって進む「映画」としての『相棒』にしながら、テレビシリーズを面白く作れるようにするための仕掛けを用意することにも怠らない器用な仕事をしている。
というか、今回の劇場版は空撮をしたい、テレビ用の空撮バンクがために作っていると邪推をしてしまうぐらい、楽しんでフィルムを作ったことが感じられる良作だったと思う。