「我慢の道」

空の境界(中) (講談社文庫)

空の境界(中) (講談社文庫)

ホット・ファズ」→「空の境界」の流れで映画を消化するため、朝一から夕方のチケットを入手。
朝一のプログラムがあるためか行列で、この様子だと夕方の席も一杯だと思われたが、あっさり最良の席をゲット。
そして、「空の兄弟」たちと夕方の劇場に足を運ぶと、10分前になってもお客が溢れていない。
違和感を感じつつ着席すると、三作まで客で溢れていたのは嘘のようで、前方三列が「伽藍の洞」。
嫌な予感が過る中、映画が始まると、緊迫した病院搬送シーンで安心と思いきや、構図の物足りなさを感じさせるところが結構あって(「悪い」というか「TVアニメ」的な固いカットが多い)、極めつけが「死の世界」の表現。
それは、その昔ufotableが制作したアニメ『コヨーテ ラグタイムショー』の屈指の問題表現、「ハイテク銀行攻略(強盗)シーン」の映像的慣性を無視した表現にクリソツで萎えた(笑)し、気恥ずかしくなった。

あと、せっかく宗蓮さんが死体(式の初めての獲物)を用意したのに(笑)、そのあたりの描写が疎かなのは頂けないというか、病院という舞台が生かし切れていないのも不満。
キル・ビル』のユマ・サーマン病院復活のシークエンスを参考にすべきだった?
今回の式は、『キル・ビル』のユマ・サーマンの域にも達していないのだ。
子犬君がどうした、鼻歌とかしょうもない所に幹也@ムラケンの影がチラつくのも頂けない。
「空の兄弟」の意見で、橙子さんの描写が思わせぶりで終わって残念というものもあった。
一章が式、二章が幹也、三章が藤乃といった一作ごとに違うキャラクターが映画の看板を背負ってきたのが、今回だと誰の映画か胸張って言えないのはファンとしては残念だ(橙子さんに全力を注いでいれば……)。
悪口ばかりでは良くないので、ここは良かったというところを挙げておくと、式の表情のバリエーションが良くも悪くも(結局不満がつきまとう)多彩だったところかな(髪切るときの式のデコ具合が結構好き)。